心の旅のお作法

妙齢からの、己を知る道、心のお散歩(笑)

本当にお別れ。

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こんにちは。こんなに長い期間、この場から離れていたことがなかったので、変な感じがします。お元気でしたか? あたくしは元気です。

 

実は、昨年末にあの素敵な先生とのカウンセリングは終結したの。

理由を説明するのは難しいことだけど、つまりは、もう先生とのやりとりを通じて、あたくしが成長しなくなったからだ思う。最後の方のカウンセリングでは、あたくしは先生のアドバイスなんか聞く気などなくなっていたし、明らかに双方がその時間にどこか苛立ちを感じていた。

 

それでも、これまでの3年間、月に2回のカウンセリングはすでにあたくしの生活の一部で、あたくしは先生との別れにあらがい、何だかんだ理由を付けて先送りにしていたのだけど、先生は割とキッパリとカウンセリングの終結を申し出た。

いつだったか先生は「必要としている間は決して見捨てない」と言ってくれたけど、今のあたくしは先生から見て、助けを必要としている人ではなくなったのだろう。

カウンセリングが終結した後、しばらくは、“先生が必要となる危機”の訪れを期待しながら、恐る恐る暮らしていたのだけれど、何も起きなかった。

 

 

 

では、逆転移の彼は?

 

…そう、それはまだ情けないことに、逆転移中なのであった。

しかし、こちらもまた卒業が近づいて来たのだった。

彼はやっと、旅立ちの準備を整えたのだった。

あたくしが、次にブログを更新することがあれば、きっとその時には彼はあたくしの側にいない。

 

前回のブログであたくしは、“自分のいいところだけ見せて、彼を送り出したい”と書いていたのだけれども、全くそんな風にはならなかった。

残りの時間に語り尽くしてしまおうというエゴイスティックな気持ちがあって、こんな胸の内を伝えるのは、もしかしたら暴力かもしれないと思いながらも、自分は黙っていることは出来なかった。

こんなに自己開示しすぎる自分は、支援する人間として失格なのだ。

あたくしは、彼の優しさに甘えている。

 

彼との面談の時間、我々の言葉はなくなってしまった。

彼は、もうあたくしのアドバイスなど求めていない。

自分の世界を大切にして、自分のことは自分で決められるようになった。

誰かに決めてもらうのではなく、いろんな人を頼りながら自分で決めて生きていけるようになったのだ。

 

ただ、決められた時間、おかしな話だけども、違いに時計をチラ見しながら、俯いてポツリポツリと差し障りのない話をしている。

 

これは何なんだ? 我々の関係は何なんだ?

いつだったか、実際に、イラついた彼の口からこんな言葉が飛び出たことがある。

「じゃあ、僕らの関係は何なんだよ?!」

 

あたくしは言葉を失った。

そんなこと分かるわけない。

 

 

 

実は、あまりにも悩みすぎて、あたくしはこの春、信頼できる知人が紹介してくれた、海沿いに暮す霊能者のところに行ったのだ。

こんなことをする自分はバカバカしい、クレイジーだと思いながら…。

 

そうしたら、スピリチュアルな世界に暮らすその女性はこう言った。

「あなたと彼は、これまでにも何度も会っているのね。だから、あなたが親しみを感じるのは当然なのです。この先の人生でも会うでしょう。魂が近いのです。でも、恋人ではありませんよ」

こんな言葉など、インチキかもしれないけれど、あたくしは大枚を払いながら、妙に納得したのだった。

 

「そうか、因縁ならばしょうがない」

そうして、来世にまた会えるかもしれないのというのは、これまた愚かな話かと思うけれど、あたくしは救われたのだった。

 

 

 

ずっと逆転移の彼と離れることが、怖かったのだけれど、それは確実に来る。

そうして、それは自分が予測していた形とは全く違っていた。

同じ部屋にいながら、語り合うことがなくなること。

支援者として話しつくしたこと。

お互いが別の段階に達して、もう分かち合うものがほとんどないこと。

 

これからも、あたくしは彼の幸福を願い続けるだろうけど、その間にも、彼はあたくしの知っている彼とはどんどん遠ざかるだろう。

そうして、自分も変わるだろう。

 

まるで冷たい深海のような暗くて先の見えない場所を、互いの存在だけを心の支えにして冒険した…そんな二人は、いつしか別の時間にまた出会い、同じ気持ちを味わえるのだろうか?

その時は、互いがすっかり忘れてしまった頃、まるで初めてのような顔をして訪れるのかもしれない。

全くの別々の顔をして。