心の旅のお作法

妙齢からの、己を知る道、心のお散歩(笑)

不特定多数が集う場が怖いことに気付く。

f:id:spica-suzuhazu:20171203203541j:plain

先日、とある趣味の集まりの忘年会に参加したのだけど、途中で自分の中に不安というか、違和感を感じていることに気がついた。
30人くらいの集まり、知っている人も一部いるが、多くは初対面。
だけど共通の話題はある仲間なので、初対面でも話はそれなりに弾むし、堅苦しい雰囲気でもない。
お酒も進み、どちらかと言えば自分にとっても、適度にリラックスするような場だと思う。
 
あたくしはその場で笑っていたし、誰も自分が緊張感いっぱいでその場にいたことに気がつかなかっただろう。
あたくしは顔見知りの存在を目で追いながら、心の支えにして乗り切ったのだった。
 
しかし、家に帰って、なぜこんなに自分が辛い気持ちになったんだろう?
翌朝、やや飲みすぎで鈍くなった頭で考えてみて、そうして思い出した。
自分が被害に遭ったストーカーに出会ったのも、こういう不特定多数が集まる場所だったのだ。
 
…というわけで、気が付いてしまった。
あたくしは、ある一定の人数を超える集まりは、かつての状況を思い出して緊張感が高まる。
事件から何年も経つが、これほど不特定多数が集まる場に、たまたま運良く身を置いくことなく過ごしてきていたのだ。
(社会的にそこそこ引きこもっていたというのもある)
30人なんか大人数には入らない、という方もいらっしゃるだろう。あたくしもそう思う(笑)。
 
でも、人数が増えると、その中に変な人が紛れている確率が増えそうな気がするのだ。
それが現在のあたくしにとっては30人以上と、勝手に無意識が捉えているということなんだな。
ちなみに事件の発端となった集まりは、100人越えだった。
人数増大→危険増大…もちろんそれが正しい判断ではないことも知っている。
昨日の集まりは会の趣旨から言っても、集まった人々に変な人が紛れている確率は低いと思うのだ。
頭ではわかっているのだけど、たくさんの他人に一度に会う場では、防衛本能が暴走してしまうのだな。
 
 
 
そう言えば、実家が遠方なので飛行機に乗る機会が年に何回かあるのだけど、不思議なことにそういう時、何となく飛行機にかつてのストーカーが乗り合わせているような不安に駆られてしまうのだ。
飛行機だったら250席くらいだから、確率的に居合わせることは皆無に等しいと思う。
しかし、席に座って通路側を見渡し、似た人がいないか探してしまうのだ。
探すのは、相手よりこっちが先に気付くためになのだけど、そこで何となく雰囲気が似た人を発見してしまうと厄介である。
別人なのは割りとすぐに分かるのだけど、本当に別人なのかをもっとしっかり確かめたくなるのだ(笑)。
近寄って、持ち物や仕草、声なんかを確認し、本当に別人である確固とした証拠を得たくなる。
 
都会の巨大な駅構内なんかも実は好きではない。
たくさんの路線が乗り入れる地下鉄の構内も嫌いだ。
これだけ人の流れがあると、時々、後ろ姿が似ているくらいの人は結構見かける。
もっとも、トラウマ経験者は、ささいな共通点をひろって拡大解釈しやすい脳になってしまっているらしい。
だから、やれやれ、誤動作ばっかりだ。
 
そうしてとにかく、万が一出くわしたら、戦わなくてはいけない。そう思っているのだ。
影でコソコソ犯罪するような奴だから、こちらに発見されたら、相手は全力で逃げようとするかもしれない。
だけど、きっと本当にそんなことになったら、あたくしのアドレナリンは出まくり、全速力で追って攻撃するだろう。
 
「あれは過去のことだよ」
「今は安全だよ」
ドキドキすると、カウンセラーの先生が言ってくれた言葉を、心の中で再生して安心させる。
そうして戦闘モードの準備なんか不要なことを自分に言い聞かせる。
 
 
 
先日の立食バーティの参加者の中には、あたくしのように緊張しながらもお喋りする以前に、飲み物片手にちょっと人から離れて座り、全く打ち解けられない人もいた。
かつての自分だったら、そういう人には自分から近づいていって話しかけたり、みんなの輪に入るように促したろうな、と思う。
その人が、どうしてそうしているのかは分からない。
勇気と期待を胸に来てみたものの雰囲気に溶け込めず困っているのかもしれないし、来たら意外につまらないので「早く終わらないかしら」と思っているのかもしれない。
でも、あたくしも思いっきり社交的な人ではないけれど、誰かに話しかけてもられたら、とりあえずは嫌な気持ちはしないと思う。
だけど現実は、目に映っていて気が付いているのに何もせず、自分の中の違和感の対処で精一杯だったのね。
余計なことに自分のメモリーが食われてしまうと、こういう残念なことが起こってしまう。
 
まー、こんなことカウンセラーに話したら、
「人のことはとりあえず置いておいて、ありのままの自分がその場で心から安心し、楽しめるようになりなさい」と言われるんだろうな。
まったくもってその通りですな。