心の旅のお作法

妙齢からの、己を知る道、心のお散歩(笑)

カウンセリングで夢の話をする。

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一度、夢の中にカウンセラーが出てきたことがあり、その話をしたら、
「じゃあ、これからは夢の話も聞かせてよ」ということになった。
 
そういう流れになるとどうしても、「夢を分析する」→「何か解る」のを期待するもんなんですけど、あたくしのカウンセラーは分析はし・ま・せ・ん。
しょうがないので(笑)、あたくしがその夢に対しての解釈を披露します。
多分、無意識で自分はこう思っているんじゃないかしらとかね。
あたくしの浅はかな分析をカウンセラーは「ほう」って顔で聞いてくれますが、否定も肯定もしません。
 
最初は、ホントは内心、分析しているんでしょ? 教えてくれないだけなんでしょう? と猜疑心丸出しで挑んでいたのだけど、この認識は間違っているみたい。
カウンセラーって、夢を分析して答えを教えてくれる人じゃないらしいですよ(笑)。
夢の話や、その夢に対するクライエントの解釈や感情は、あくまでもカウンセラーがクライエントを理解するための情報源として活用されるらしい。
 
 
 
そうして話は、先日あたくしが見た夢の話になった。
この夢は、全編自分の手元のクローズアップ映像で始まり、終わる。
でも、自分はここが裁判所の傍聴席であることが分かっているし、何の裁判なのかも知っている。
自身が被害に遭ったストーカー事件の裁判だ。
 
実際にはあたくしは裁判に立ち会っていない。
警察に被害届を出した時に刑事さんに「もし、犯人が誰か分かって、“あ、この人なら起訴しないで”っていうのはナシですよ」って言われたのだけど、当時のあたくしはまぬけなことに「顔見知りの犯行」というのは全く思いつかなかったので、自信を持ってハンコを押し、サインしたをした。
逮捕された後も犯人は否認し続けたので、示談交渉もなく裁判にかけられたのだった。
罪状は…犯人はいろいろやってくれたので、名誉毀損なのか器物損壊なのか、はたまた業務妨害なのかは知らない。
その辺、当時の記憶がほとんど抜け落ちているんだけど、罰金50万という判決だったらしい。
 
で、夢の話に戻ると、あたくしは手元の裁判資料を見ているのであった。
でも、その裁判資料が国語の論述問題みたいになっていて、最後に設問があるの(笑)。
「この文章を読み、被告の気持ちとして考えられるものを空欄に書きなさい」となっている!!
 
「これはですねぇ〜、深層心理が自分に反省を促しているんじゃないかと思うんですよ」
と、あたくしはいつものように持論を展開した。
 
不思議なことだけど、その夢は怖い夢でもなく、強い嫌悪感を抱かせる夢でもなかったのだ。
ただ、正直言って「あたくしが被害者なのに、なんで被告の気持ちを汲まなきゃなんないの」っていうトホホな気持ちがあるだけだったのだ。
 
 
 
そうして、実はここからが本題だったりする。
「あのう、先生。ここに来たのは、EMDRで嫌な記憶を封印しちゃいたいなと思ったからなんですけど、
 それで、“いつ、EMDR”するのかな?と、ずっと思っていたんですけど………
 
 何だか、やらなくてもいいような気がして…っていうか、何だか、もうそんなに怖くない…」
 
当初は、まず、あたくしの心の中に安全地帯を作る、それからEMDRする…という流れだったのに、あら不思議、安全地帯を作る過程で自分の気持ちに変化が起きたようだ。
 
あれだけ、EMDRに執着し、ネットで他人様のEMDR体験を拝見しながら、自身がEMDR体験できる日を夢見ていたのにねぇ。
面白体験を志向するあたくしとしては、未だにEMDRには興味がある。
興味はあるのだけれど、自分の中の得体の知れない恐怖心が薄れたので、もう当初の執着はないのだった。
そもそも解決されつつあるストーカー体験は、EMDRのターゲットになり得ない。残念無念…。
(そうして、もし、ブログの読者の方で「いつEMDRするんだろう?」と思っていた人がいたらゴメンナサイ! 多分、やりません!)
 
カウンセラーの先生はおっしゃった。
「うん、僕も、あなたはEMDRで記憶を処理したりしない方がいいと思う。他の方法が合っていると思うよ」
 
その日は、カウンセラーがあたくしという人間をどのように認識しているかいろいろ話してくれた。
 
そうして、言い方は悪いが、またひとしきり泣かされたのだった。
(これは、カウンセラーの質問が鋭いとか意地悪という意味ではありません)
 
「夢の中で裁判があったってことは、事件が終わったということではないのかな?」
と、カウンセラーがポソッと言った。
 
終わったという感覚が欠如しているために生々しく再現されるのがトラウマ記憶の特徴だから、そこに終焉がやっと訪れたということか?
過去の記憶として処理されつつあるということか?
 
自分の過去に反省を促す夢よりも、事件はもう過去のことだと告げてくれる夢だと解釈した方が良さそうだ。
あたくしは、カウンセラーの先生の解釈を採用した。