心の旅のお作法

妙齢からの、己を知る道、心のお散歩(笑)

スイッチが入っちゃいました。

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今回は、前回の話題の続き。
 
カウンセリングで、あたくしは昨年末の事の顛末…つまり恫喝を食らって凹んだ一件…をお伝えしたのだが、先生は、その長々とした話を聞いた後に、静かに言った。
 
「…それは、災難だったね」
 
いや、いや、いや、それでですね、今、自分、壊れかけてるっぽいんですよ。
自分は、一生懸命に説明する。
夜中に目が覚めるし、朝は憂鬱で職場に行きたくない、職場で食べる昼食は喉を通らない。
それにね、あのソワソワが…“全般性不安障害”特有のソワソワが…止まらないんですよ。
 
自分は、あの一件以来、かなりポンコツになっている。
注意力散漫、短期的記憶力減退。
 
今までのあたくしと違うところは、取り繕うことを辞め上司に申告したこと。
「1日も早く元に戻るために休息を多めに取りたいのです。しばらく残業は勘弁してください」
ちゃんと、許可を得ることができた。
 
職場の人も、年末の件はご存知で、理解してくれている。
これ以外、何が何が望める?
 
あたくしは、今の仕事を辞めたくないんだ。
 
 
 
「かつてのあなたと、今のあなたは、違うんだよ?」
先生はそう言う。
本当だろうか?
そうであるような気もするし、自分は依然としてこれまでと変わらない自分のような気がする。
だってまた自分は、不安のスイッチが入って、始終ソワソワしている。
 
だけど、よく考えてみると、確かにこれまでの自分とは違うことがある。
 
それは、
恫喝の主を「“絶対に”許さねぇ」とか思わないこと。
「こいつさえいなければ全て上手くいったのに」と恨まないこと。
 
そうして、無理に相手を許そうとか思わないこと。
許せない自分を「小せえ奴」と蔑まないこと。
 
ただ、静かに、
「今の自分は相手を許せない。だから、気が済むまで怒っていよう」
と思えることだ。
 
きっと、いつか、それは薄れていって、過去のことになるだろう。
この辛さは永遠に続くのではないという、そんな確信だけは持てるようになっている。
 
ねえ、でもね、本当にかなりポンコツなんですよ? どうしましょう?
 
「ワンランク上の自分になるときはさぁ、かなり大切なこともスポッと抜けちゃうようになるんだよ?」
は?
「きっと、それだよ(笑)」
先生、嘘でしょう!
 
また、適当なこと言って、本当に辛いんですってば。
それに「ワンランク上の自分」なんて言い方、インチキ氣功師みたい(笑)。
 
 
 
それから暫くして、偶然にも恫喝の主と、二人きりで残業になった。
「先日はすみませんでした。あんな言い方をして」
実は、謝っていただくのは二度目なのだ。
最初の謝罪は、まるで取って付けたような感じで、到底受け入れられるものではなかった。
だけど、あれから一ヶ月近くも経って聞く、今回の「ごめんね」には、心が込められているように感じられた。
 
「会社に来るの、ずっと辛かったでしょう?」
「そうですね」
あたくしは正直に言えた。
 
今までは、嘘ばかりついてきた。
「私、結構タフなんです」とか。
「一晩寝たらケロリなんです」とか。
「鈍感すぎて、逆にイラつきませんでした?」とか。
 
今回は、そういうことは言わない。
 
怒りのあまり言葉が迸り出ることもない。
ただ、静かに「ああ、終わった」「ああ、越えられた」と安堵した。
 
しかしですね、一度入ってしまったスイッチはOFFにならない。
あたくしは、隠れて、今も毎日、頓服のアルプラゾラムを飲み込んでる訳。
 
今、怖いものは何にもないんだよ?
どれだけ言い聞かせても、自分は暗闇で怯える小さな獣みたいな心持ちになってしまうんだ。
 
先生、どうしたら、いい?