カウンセリングの成否のカギは、受ける側が握っている!?
カウンセリングが失敗に終わりそうな予感がした時の、無駄な時間とお金を費やしたことへの後悔、思ったように上手くいかなかった怒り、まったく変わっていない自分への絶望感など、も〜半端ではありません。
過去に、パニックの予期不安を軽減させようと二人のカウンセラーにお世話になり、治療の途中でどちらも辞めています。
奇しくも、アプローチ法と期間の長さは違いますが、24回セッションを行ったところで2回とも中断しているので、この辺が私の「効果を感じられなくても続けられる限界」なんでしょう(笑)。←我ながら、随分と悠長だと思います。
そもそも、効果を感じられなくても、なんの変化もなくても、カウンセラーの方から「カウンセラー変えた方がいいヨ」という親切な提案がなされることはありえないわけなので、決断力がないとカウンセリングっていうのは泥沼化します。(よほど相性が悪いとか、逆に好意を持ってしまったりすれば、自ずと終焉は見えると思いますが)
一人目のカウンセラーの場合は、どちらかと言えばボディワークだったので、辞める時もさして疑問を持つことはなく、リラックス法を実践しなくてもリラックスできる時間が増えれば、先生からは卒業です。しかし、二人目のカウンセラーを辞める時は、かなり悩みました。辞めることではなく、カウンセリングの効果が出ないことへの疑問です。
「赤の他人とはいえ、毎週50分、自分の超個人的な話をしている相手(カウンセラー)に、なぜ僅かな親近感も湧かず、安心感も得られず、私の心に何の変化もないんだろう?」
どこが悪いんだろう?と考える時、カウンセラーには申し訳ないんですけど、まず相手の技量を疑いますよね?(笑)だって、私は毎回一生懸命しゃべってんだも〜ん。
そうして、軽薄にもネットで調べまくっていたところ出てきたのが…
ジェンドリンのフォーカシングの話です。
1960年代の初め、シカゴのユージン・ジェンドリン教授は、なぜ、心理療法で効果がある人と効果のない人がいるのか」という疑問から、実証的研究を始め(中略)何百という心理治療場面の録音テープを検証し(中略)成功と失敗の違いを決定づけるものが何かを調べました。(中略)セラピストの行為からは何ら優位な差は見られませんでした。(中略)治療が成功だったクライエントと失敗だったクライエントには違いがあったのです。そして、その違いは、最初の1・2回の面接でわかるのです。
『やさしいフォーカシング』アン・ワイザー・コーネル著
この違いというのが、クライエントがもともと持っている「言葉では表現しにくい身体感覚への気づき」なんですけど、これを知った時はビックリしました。
なんですと! 上手くいかないのこっちのせい?しかも、最初の1、2回で分かるって?
実は私、大学時代は少し心理学を齧っていたのですが、社会心理学畑ということと、悪い学生でお勉強あんまりしなかったこともあり、このジェンドリンという人を知りませんでした。が、大学院を出ている臨床心理士さんは当然、ご存知のはずであろうお方。
つまり、停滞しているカウンセリングというのは、クライエントが頭でばっかり考えちゃって、身体で感じることをしていないわけであり、それに気づいてカウンセラーが身体感覚への気づきを促せばいいわけ。←と、私は判断した。
興奮して、次のカウンセリングに挑みました。23回目でしたかね。
(先生、こんな大事なこと、何で教えてくれなかったんです?)と思いつつ。
でもね、先生は、爽やかに「あれは、随分古い理論だから」とおっしゃりました。
それで、私は、この先生のお世話にはなれないな、もう辞めよう、と思ったのです。
ガッカリしましたよ。だって、わたし、カウンセリングの停滞感をすごく悩んでたんだもん…。そうして、人間関係に違和感を感じたら、その気持ちを脇に追いやったりせず、ちゃんと大切にしなくてはいけないなと、思った出来事です。そうであったら、無駄に回を重ねる必要はなかったハズ。
この一連の、話しても話しても、カウンセラーへの信頼感も湧かず、安心感も得られず、自分も変化がない、というある意味アンラッキーなカウンセリング体験が、私にカウンセリングを勉強してみようじゃん!という気持ちにさせたのでした。人生ってファンタスティックね…♪
ちなみに、今、カウンセリングの勉強の中で、セッションの演習とかするんですけど、たった10分だろうが、カウンセラーへの信頼感、安心感が得られる時は、あります。自分の心に変化が訪れることも、です。
それだけ、基本の傾聴が難しく、奥深いということなのでしょう。
- 作者: アン・ワイザーコーネル,Ann Weiser Cornell,大沢美枝子,日笠摩子
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